ITS 11 ブログ

ナビゲーションは「付加価値」

佐藤久実

 最近、日本の自動車メーカー各社は以前にも増してナビゲーションシステムの開発に力が入っているようです。新型車の試乗会に行ってもデモンストレーションがあったり、ナビの勉強会があったり。
確かにナビは便利。私のような「超スーパーウルトラ方向音痴」でも、迷子になることなく目的地に行けますから。でも、今やそんなことで感心している時代じゃありません。目的地まで、いかに渋滞にはまることなく早く到着できるか、がポイント。さらに、エンターテインメント性も高い。道路を走っていると、観光からレストランまで検索してくれるし、さらには観光案内からレストランの詳細情報やユーザーの評価までチェックできたりしてしまうのです。
私も欲しいと思いました。でも、ナビだけ。それを搭載する肝腎なクルマは魅力的じゃないんだもの。でも、先日ニュースで言ってました。低迷する新車販売に対して、各メーカーがナビゲーションで特徴を出し、購入意欲とユーザーの囲い込みを目論んでいる、といったようなことを。
これって、本末転倒じゃないんですかぁ。ナビゲーションシステムはクルマにとってあくまでも「付加価値」的な要素でしょ。そこで勝負かけるなんて。じゃぁ、本来の価値はどうなんでしょう。安心して、快適に安全に走って曲がって止まって、環境にやさしく目的地まで運んでくれるというのが理想なクルマですよね。
しかも。囲い込み。ちなみに、「いかに早く到着するか」ということに関しては、データの蓄積はもちろんだけれど、リアルタイムでユーザーからの情報を収集・解析して案内に反映するというもの。ということは、情報の数が多いほど、データとしてはより正確になるわけです。だったらメーカー同士がお互いに情報をリンクさせれば良いわけだけど、そこがノウハウとばかり、オープンにしない。ナビの利便性によって、ユーザーの囲い込みを図っているわけです。んー・・・・、何かちょっとさみしいです。本質的な価値の部分も、ナビと同じくらいアピールがわかりやすく、プライドがあり、魅力的な商品にして欲しいです。

トウモロコシが高級食材に!?

佐藤久実

私はトウモロコシが大好きです。自宅では電子レンジでチンして食べるけれど、本当はお醤油つけて焼いた方がおいしいですよね。ところが。先日新聞を読んでいたらそのとうもろこしが、「今後数年間、需要がタイトな状態が続く可能性が高い」という見方をされているというではありませんか。
 ことの発端は昨年9月のオーストラリアの干ばつ。小麦の収穫が減るとの予測から相場が高騰。で、アメリカのトウモロコシ農家がより儲かりそうな小麦の作付けに動き、あおりでトウモロコシの作付け面積が減るのでは、との連想が。結果、トウモロコシの価格が今年の1月には相場の2倍まで跳ね上がったというのです。今度はトウモロコシの増産から大豆の作付け減少で、大豆の価格上昇、と連鎖反応はまだまだ続いているそうです。ここまでは天候によって世界の穀物需給のバランスが崩れ、相場が高騰したというお話。でも、トウモロコシの悲劇はこれだけで留まりません。
 何故なら、「エネルギー需要」という新たな胃袋が出現したためです。2004年以来の原油価格の高騰で、アメリカではガソリン代替燃料であるエタノールの増産を法律で義務づけました。そこでエタノールのもととして使われるのがトウモロコシなわけです。さらに、BRICSでは所得の向上とともに肉や油脂の消費が増え、家畜のえさとしてトウモロコシの需要が向上しているといいます。「エネルギー原料」と「食料用途」で穀物を奪い合う構図が鮮明になってきているというのです。トウモロコシは人気者なのです。
 で、思い出しました。数年前のとあるシンポジウムでのこと。ガソリン代替燃料としてバイオマスの話題になったとき、女性のパネラーが、「食料バランスが崩れ、饑餓に苦しむ人たちがさらに辛い状況になってしまうのではないか。」という話をしたのです。その時のバイオマスは、木くずなど「ゴミ」になるようなものが原料ということをメーカーの人が説明したため、納得して話は丸く収まりました。が、彼女の危惧は現実のものとなりつつあるのではないでしょうか。
昨年、やはり原油高により、サトウキビがエタノール用に使われたため、食用の砂糖が高くなり和菓子屋さんが困っているというニュースも耳にしました。
エコも大事だけれど、食用との需給バランスや饑餓対策など、多角的な「環境」とのバランスを考慮するのも大事なことですね。

(参考:2007年2月10日朝日新聞)

パブリック・ドメイン Vol.2

佐藤久実

ブレーキのロックを防ぐ「ABS」やホイールスピンを抑える「トラクションコントロール」がドライバーのアクセル、ブレーキ操作に対して制御するのに対して、「横滑り防止装置」の偉いところは、たとえドライバーがアクセルを踏んでいても自動的にブレーキをかけてクルマを安定させてくれる、ドライバーが回避操作をしなくても助けてくれるという点です。さらに最近は、この「自動ブレーキ」をコア技術とする新たな装備が普及しつつあります。そのひとつが、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)。
従来のクルーズ・コントロールは、速度設定するとずっとそのスピードを維持して走るため、クルマの流れる速度が変わるといちいちドライバーがコントロールしたり、ブレーキを踏み解除されるというもの。つまり、日本の高速道路ではほとんど使いものにならない装備でした。一方、ACCは、レーダーで前車との距離を測りながら走行し、たとえばクルマの流れが遅くなって前車との距離が近づくと自動的にブレーキをかけてスピードを落とし、車間距離を維持。再び流れが速くなると、本来の設定スピードまで加速するという実用性の高い優れものです。
で。やっぱりこれも名称がまちまち。興味があって着目しているためクルマに乗るたび確認するのだけど、最近乗ったクルマではホンダがIHCC(インテリジェント・ハイウェイ・クルーズ・コントロール)、マツダがマツダレーダークルーズコントロールという具合。ホンダのエンジニアに、何故ACCにしないの?と聞いたら「ACCを使えないから。」と。ちょっと懐疑的。で、マツダの人に聞いたら、やっぱりエンジニアとしては、他と違うことをしているという独自性にこだわりたいようです。気持ちはわかる。一生懸命開発しているのもわかります。でもね、やっぱりユーザー視点からは「技術者の自己満足」に思えてしまうんですよね。いや、必ずしもACCという呼称が良いわけじゃありません。レーザークルーズコントロールを否定するつもりもありません。でも、クルマに対する興味の低さ、安全に対する認識の低さが蔓延している今の日本のモータリゼーションにおいては、「他との違い」をアピールする以前に、「わかりやすさ」や「普及しやすさ」を優先させるべきではないでしょうか。みんな「うまみ調味料」より「味の素」の方がわかりやすいんだから。ポピュラーな名称をパブリック・ドメインとして受け入れられる柔軟性が欲しいです。名称の変更が無理でも、たとえば
「○○○(    )」
○○○はメーカーの呼称
(   )の中は統一呼称 
くらいの親切な表記をするというのはいかがでしょう。

パブリック・ドメイン Vol.1

佐藤久実

 自動車の装備には、四文字熟語ならぬ3文字アルファベットがすごく多いです。特に最近は技術の進歩に伴い、安全装備や快適装備の種類も増える一方。それは仕方ないというか、歓迎すべきことだけれど、話をややこしくしているのが、同じ機能でもメーカーによって呼び方が異なるという点。タイヤのロックを防ぐ「ABS」は装着当初こそ異なったけれど、その後統一できた唯一の装備でしょう。たとえば、「横滑り防止装置」とか「スタビリティコントロールシステム」と呼ばれる装備は、パッと思いつくだけでもESP、VSC、VSA、DSC、PSMなどなどの名称が挙げられます。このシステムを開発し自動車メーカーに提供するサプライヤーが一丸となり、「ESC」で名称統一を図りましたが、今のところ実現せず。その主な理由は、「いまさら変えられない」のと、「名称にメーカーのフィロソフィが入っているから」だそうです。

3文字目のPはプログラム、Cはコントロール、Aはアシスト、Mはマネージメントといった具合。確かに制御の仕方もメーカーによってさまざま。ホンダのVSAは、アシスト機能という位置づけ。つまり車両コントロールの主役はドライバーという考えかたです。一方、おなじ「コントロール」でも、トヨタのVSCは、ドライバーのドライビングスキルを信用せず、かなり早い段階から強烈に車両姿勢を安定方向に押さえ込むのに対して、BMWのDSCは、ドライバーの意思を尊重し、スポーツドライビングも可能なもの。さらにサーキット走行でさえ存在が邪魔にならず、かなり深いところで制御するのがポルシェのPSMです。
実際に走ってみると、各メーカーの制御の考え方や介入の仕方の違いは理解できます。クルマのキャラクターに合った制御という言い方もできます。なので、「メーカーのフィロソフィ」があるのはわかる。が。日本の現状に目を向けると、装着率はわずか6%強に過ぎません。他メーカーとの違いをアピールする以前に、このような装備があること、そしてこれがいかに事故低減に有効であるかをユーザーに知らしめる方が先決ではないでしょうか。
つづく。

シートベルトがない!!

佐藤久実

一般ドライバーの、安全に対する認識の向上やスキルアップを狙ったスクールのインストラクションをライフワークのひとつとして、日々サーキットを飛び回っております。で、シーズンオフの冬は、「雪道」でのトレーニングとなります。
2月下旬の週末も、雪上ドライビングスクールがありました。朝、ホテルのロビーに集合、イベント会場であるホテル駐車場まで行くためスタッフの迎えを待つこと数分。やがてスタッフの運転するワンボックスタイプのバンがロビー前のエントランスに止まりました。イベントで使うパイロンや無線機などの備品を運ぶためのバン。インストラクターなど6名が同時に移動するため、大きなクルマで迎えに来たというわけです。
ガラガラーッとスライドドアを開けると2列目シートがあり、3列目シートはなしの状態。シートに座り、さてシートベルトを締めようとしたら、何とベルト自体がないではありませんか!えっ、何で?と思ってBピラーを見ると、シートベルトなるものが存在する気配すらないのです。大変勉強不足だったのですが、バンには珍しくないらしいですね。確かに、現在の日本では後席シートベルトは法律で義務化されていないから、装備されていなくても販売できるのでしょう。でもさ、メーカーの姿勢として、それで良いわけ?
やれ衝突安全ボディだの、エアバッグだの、衝突軽減ブレーキだのといった先進技術が乗用車、それも一部の上級車や上級モデルに搭載される一方で、シートベルトすら装備されないクルマが売られているなんて・・・・・。オプションで用意してますから、なんて言われたって納得できないですね。安全性を犠牲にして見かけの価格を下げているだけでしょ。実際、使われないから、だって?だったら使うようにユーザーの教育をするべきでしょう。
常々、「リヤシートに座っている人もちゃんとシートベルトを締めてください。」と参加者に指導している私たちインストラクターは、ものすご~く違和感や後ろめたさを覚えながら、イベント会場まで向かったのでした。私の横で、カタカタと揺られるパイロンを横目に、「私もこの荷物と同じ扱いなわけね。」と思うととっても空しかったです。

信号が見えない!!

佐藤久実

先日、幕張ベイタウンを走っていたときのこと。緩やかな左カーブのど真ん中に信号が着いているのにビックリ。青で良かったけど、赤信号だったら危うく信号無視してたかも、と思うほど、かなり見通しの悪いところに「とってつけたように」信号機が設置されていたのです。確かここ、以前は信号などなかったような気もします、確信ないけど。

千葉県は、交通事故死亡者ワースト3の常連。ベイタウンの中にも死亡事故の多い交差点があると聞きました。時間帯にも因るのでしょうが、比較的空いているのでスピードが出やすいのも一因でしょう。もしかしたらそれを抑止するために信号機をつけたのかもしれません。

で、信号が見えにくい、といえば、最近、ホントに見えにくいんです。アンチミニバン派のワタシはいわゆる乗用車タイプのクルマに乗っているわけですが、バス、トラックはもちろんのこと、目の前にミニバンがいても前方視界はかなり妨げられる感覚があります。今や道路はそのミニバンが主流といってもいいほど。コンパクトな軽自動車でさえ、背の高さはワタシのクルマより高かったりするのだから、囲まれ感は半端じゃありません。でね、信号とか電光掲示板とかがとっても見にくいのです。

その点、アメリカは偉い。先日、アリゾナのフェニックス界隈を走ったのですが、本場アメリカはミニバンなんてカワイイもんじゃない。フルサイズのバンが行き交ってるわけですが、交差点には各レーン毎に信号がついてました。正面が見えなければ隣りのレーンの信号を見れば良いわけ。しかも、高さも日本より高い位置にあるように感じました。

最近、LEDの明るく見易い信号機に変わりつつあり、とても良いことだけど、根本的に、信号機そのものの視認性を上げてほしいですね。

西陽がまぶしい!!!

佐藤久実

ちょっと前の話になりますが、昨年11月某日の夕方、都内の四谷界隈をクルマで走っていたときのこと。交差点の角を曲がった途端、真っ正面に太陽があり、強烈な目つぶしビームの直撃を受け、まぶしいの何のって。タイミング悪いことに、サングラスを壊した直後で、普通のメガネをかけていたせいもあるけど、サンバイザーを下ろそうがまったく意味をなさない。
 交差点の信号待ちで止まっている間もかなり辛かったです。どうやって赤信号を判断して止まったのかは覚えていないんだけど、赤から青になったときも恐かったですね。だって逆光で信号の色を判別できないんだもの。まずは交差する道路のクルマが止まったのを確認。さらに、対向車が動き出すまで私は動きませんでした。どう考えてももう青になっていそうなんだけど、対向車のドライバーがよそ見してて、なかなか発進してくれず。それでも辛抱強く待ちました。
 ま、でも、「サングラスかければいいじゃない。」でかたづけられたら実も蓋もないし、わざわざコラムネタにするほどのことでもないかな~とその時は思ってました。
 が、人って気にし出すと気になってしょうがないんですよね。
 今年に入り、朝から幕張に通う仕事がありました。毎朝8時頃に都内から成田方面に向かって湾岸線を走るわけですが、これがまた、ずーーっと正面に太陽を見て走るわけ。今度はちゃんとサングラスかけてたし、クルマのサンバイザーも下ろしたけど、やっぱりどうにもならない。私の前のクルマなんて、完全に車線またいで走ってたし。まぶしくて車線の白線見えてなかったんだろうな。
 で、思いました。絶対、まぶしさ故の前方不注意、というか見えなかった事故、起きているに違いないと。
 UVカットガラスとか、撥水ガラスとか、あるいはマイバッハの運転席と後席の間のガラスみたいにクリアが瞬時に曇りガラスになるとか、最近のガラスの技術はすごいじゃないですか。太陽に動いてもらうわけにいかないから、防眩ミラーならぬ防眩ガラスをフロントガラスに入れたらきっと事故低減につながると思うのですが、いかがでしょう。

From EUROPE MINIがフルモデルチェンジした理由

佐藤久実

パリサロンで、新型ミニクーパー&クーパーSがワールドプレミアとなりました。個人的にも好きなクルマなので興味深く、実車を見るのを楽しみにしていました。ところが、「えっ何が変わったの?」といいたくなるほど、「原寸大間違い探しゲーム」のような変わり映えしないルックスには驚きました。
 しかも、現行MINIは2001年デビュー以来、毎年、全世界で順調に販売台数が伸びており、2005年には20万台を超えています。日本においても同様で、2002年の導入以来、毎年上り調子。まさにブランドの強さとBMWの技術力の高さを物語っています。
 この人気絶頂の時期に、大して変わり映えのしないルックスのフルモデルチェンジをしたのが不思議でしたが、パリサロン後の国際試乗会でその謎が解けました。
 一見変わらないけれど、実は全長が60mm長くなっています。そのうち38mmがフロントセクションに費やされていますが、これが今回のモデルチェンジのキモ。
 その理由のひとつは、ボンネットに新型エンジンを収めるためのスペースが必要だったから。もちろん、新型の1.6リッター直噴ターボエンジンはBMW製。クライスラーから供給されていたエンジンを、一刻も早く自社製にしたかったというプライドもあったんでしょう。でも、プライド以上に、従来より環境性能に優れたエンジンであり、BMWグループ全体で排出ガスを減らすという狙いもあります。
 そして、フロントセクションが長くなったもう一つの理由は、近い将来施行されるであろう、歩行者保護の法規の基準をクリアするためです。
 要するに、ミニがフルモデルチェンジしたのは、安全・環境性能を高めるためだったのです。そのためにイギリスのアッセンブリー工場に20億ポンドの投資もしています。実は効率化が最大の狙いではないか、なんて声も聞こえますが、少なくとも、走って楽しいホットハッチでありながら、時代に即したユーザーベネフィットも最優先されているのですから、恐るべし、BMWです。

高速道路の出口表示

佐藤久実

前回の、高速道路の出口表示に関して、さらに数字表記の利便性を確信するできごとを思い出しました。
盆暮れ正月、GWというのは、ただでさえ道路の混むシーズン。できれば渋滞は避けたいけれど、仕事となれば仕方ない・・・。意を決して渋滞に突入したわけですが。
都内を起点とした場合、東名や常磐道、東北道といった高速道路に入る前に、『首都高速』という鬼門があります。そう、ワタシの悲劇とイライラも、この首都高速から始まりました。渋滞の先頭にきた時、何と渋滞の原因が「首都高の案内板」にあることが判明したときの、矛盾、腹立ち、納得、etc複雑な心境といったら・・・。
首都高速道路のような都市高速の場合、環状線があり、そこから放射状に何本も道路が分岐しています。環状線と放射線の合流/分岐にはジャンクションがあり、あらゆるところに入り口/出口が設けられています。
渋滞情報は、ジャンクションや出入り口名から何キロという表示がされているわけですが、まず、漢字の羅列を読むのに巡行スピードが落ちるでしょ。そのためにブレーキを踏むと渋滞のキッカケになる。さらに。首都高マップが頭の中に完璧にインプットされていないと、せっかくの情報も解読不可能。スムースなドライブのための情報が、かえって迷いや渋滞を作る原因になるという、皮肉な結果になってしまうのです。で、「この出口って何号線だっけ?通り道にあった?」な~んて会話しながら、その先の分岐で「どっち行く?右?左?えっ、どっちどっち?」なんてやってるもんだから、走行ペースが上がるわけがない。やがて渋滞の列が延び、どちらの道を選ぶか、否応なしにじっくりゆっくり考える時間が与えられる状況に陥るわけです。
でも。これが数字なら、運転しながらでも、不慣れな道を走っていても、短時間で情報の整理ができるでしょ。たとえば、「1-○~1-×まで3Km渋滞」とあれば、あぁ、1号線が混んでるんだって、すぐわかるじゃない。○とか×は、距離でも良いし、ジャンクションから順に番号振ってっても良いし。首都高速道路も民営化されてからいろいろ改善されているんだけどね。このアイデア、採用してくれないかな~。

From EUROPE~スペインの高速道路

佐藤久実

 9月と11月に、海外試乗会でスペインの高速道路を走る機会がありました。リゾート地としてドイツ人の好む場所であり、すでに寒くなっているヨーロッパにおいて温かくて天気が良いといった理由などで選ばれているようです。バスク地方とマヨルカ島と、スペインでもまったく違うエリアでしたが、いずれも高速道路の交通量が少なく、試乗する立場としても絶好のテストコースでした。
 さて、そんな中、すっごい発見をしました。(と、本人は思っている。)スペインの高速道路には出口番号がついていますが、その数字というのが、起点からの距離なのです。つまり、Exit 10とあれば10Km地点にある出口という意味。そして、数字とあわせて地名も書かれています。これって素晴らしいと思いません?日本でも、高速道路走ってて、「あとどれくらいの距離?」なんて思うことありますよね。えっ。今どきナビがあるから関係ないって?あっそう。
でもね、先日日本に住むフランス人と話していた時のこと。彼は20年以上日本在住で日本語もペラペラ。でも、さすがに「漢字」の読み書きはキビシイわけ。クルマにナビもついていて、案内は英語でしてくれるのだけれども、結局道路に書かれている出口は漢字でしょ。なので、非常にわかりにくく不便に感じているわけです。最近、道路を走っていて英語表記のサインもずいぶん増えましたが、それでも日本語がわからず、日本の道を知らない外国人から見れば、まだまだ不親切なようです。
 その点、「数字」は英語以上に万国共通でしょ。しかも距離感も一目瞭然。最近、地下鉄でも、アルファベットと数字で駅を表す表記が使われていますよね。そう考えると、やっぱりこのスペイン方式は、非常に合理的だと思うのです。みんなのクルマにナビがついているとは限らず、誰もが日本語の表記を読めるとは限らず、その地名がどこにあるかわかっているとは限らない。走りながら簡単に情報を得るという意味では、数字ほどシンプルな手段はないと思いませんか?

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