なぜ起きる?交差点付近の追突事故
~黄色のジレンマゾーンをなくせ!~
「ジレンマゾーン」は危険なゾーンなのだ。
クルマを運転中、ドライバーなら誰しもが、前方の信号が黄色に変わった瞬間、「行くべきか、止まるべきか」迷うときがある。もちろん交差点での前方が黄色信号になれば止まることが基本なのですが、現実には判断に迷うことも少なくない。それはスピードが速くなればなるほど、より切羽詰まった状況での判断を迫られることになる。このような交差点手前にある戸惑いが生まれる場所を「ジレンマゾーン」と呼ばれている。
交差点付近の手前にあるジレンマゾーンを通過するドライバー達には、同じ速度でも大きくは次の3つのタイプに分かれる。
その1「今なら間に合う!」とばかり、交差点手前から加速するドライバー
その2「いつ信号が変わるかも知れないから・・」と、交差点付近ではあらかじめアクセルを緩めるドライバー
その3「いつでも止まれるように・・」と交差点付近では、つねにブレーキペダルに右足を添えようとするドライバー
などに分かれるのです。
このように三者三様の考え方のドライバーが、混在して走るジレンマゾーンは、思いがけない追突多発ゾーンでもあるのです。追突事故を防ぐには前車との車間距離を保つことは勿論ですが、それと合わせて迅速かつ的確なブレーキ操作が求められます。ブレーキ操作には、危険を発見してからアクセルペダルから足を離し、ブレーキペダルへ踏み替えるだけで、約1秒近くを要します。これは時速40km走行時なら、その間に約11m通過する距離に相当します。この踏み替えに要する時間と距離を「空走距離」と呼んでいます。つまり、空走距離を少なくすることが追突事故を防ぐ一つの手立てでもあるのです。さらにブレーキ装置には、ブレーキペダルを踏んでも直ぐには利きださない「制動距離」というもゾーンもあるのです。つまり、クルマを停めるという行為には、『停止距離=空走距離+制動距離』など、踏み替え時間と空走距離や制動距離ガ関係しているのです。我々が頭で考えているよりも、クルマは急には止められないのです。
そこで結論ですが、空走距離を少なくする方法として、交差点を通過する際には、あらかじめ右足をブレーキペダルに軽く添えておくことをお奨めします。こうすることで、万一の急ブレーキ時にも空走距離の半減が図れるのです。この方法は一見面倒そうにみえますが、慣れるとそうでもありません。交差点では、危険を発見してから対処するのではなく、目の前の危険に備えて、あらかじめ空走距離を少なくするブレーキ操作を心掛けるようにしましよう。