F1ドライバーは、ブレーキングの達人!?
~勝てるドライバーと勝てないドライバー~
日本でも絶大な人気を誇るF-1グランプリ
1987年から日本でも開催されるようになったF-1グランプリ。同じく2004年から、日本でも開催されるようになったWRC(世界ラリー選手権)と並んで人気の頂点にあるモータースポーツ競技です。
とうぜんドライバーをつとめるF-1パイロット達も世界でも屈指の40人程度というスーパーライセンスの持ち主。さて、F-1はというと誰しもがスピード競争だと思いがちですが、果たしてそうでしょうか?
当然、そこには時速300kmに裏付けされた操作能力が求められるのですが・・、F-1はチームの体制によって競争力に若干の差が生じることはありますが、マシンの性能はレギュレーションによってほぼ横並びになるように制限されています。わずか1秒以下のタイム差が勝敗を左右することからもわかるように、基本的にはほぼ同格の性能を持つマシンによって競われるワンメークレースなのです。
では、その非常にハイレベルな世界でF-1ドライバー達に求められる幾つかの要件について考えてみましょう。ドライビングとは、「走る(アクセルワーク)」、「曲がる(コーナリング)」、「止まる(ブレーキング)」の繰り返しです。この中で「走る」という行為は、条件の整った場所でアクセルペタルさえ踏み込めば誰にでもスピードは出せますし、「曲がる」という行為も限界速度さえ超えなければ、タイヤのグリップ力とサスペンションなどの性能に起因するものなので、これもマシン側の要件が大きくなります。ところが、「止まる(減速する)」という行為には、不確定要素が多く、ドライバーのブレーキ技術に差が生じやすくなります。ブレーキ操作には、
1.クルマの速度
2.車両重量
3.路面状況
4.タイヤの性能5.
ドライバーのブレーキを踏む能力
など、じつに様々な要件が入り乱れるからです。これらを巧みに操ることで、時速300kmの着後に待っているブレーキング競争に打ち勝つことができるのです。
つまりF-1とは、ドライバーにとってはスピード競争というよりも、ブレーキングの戦い、といっても過言ではないといえるのです。我われもスピードの魅力だけにとらわれず、クルマを停めるための5つのポイントを再認識し、自分の運転能力と道路状況にあった走りと、いつでも止れるというブレーキ能力を身に付けることが大切なのです。