コラム

ABSも万能ではない!

~ブレーキを踏むことで衝撃の緩和が図れる~

ABSとは、アンチ・ロック・ブレーキシステム(Anti-lock Brake System)の略で、通常なら滑りやすい路面で急ブレーキをかけると、タイヤがロックしたり、スリップしたり、ハンドル操作が不能になったりすることを防止するシステムのことです。

そのためABSそのものには、クルマを止める能力を高めたり、短い距離で止まるための機能はありません。どちらかといえば、急ブレーキを踏みながら前方障害物の回避を可能にするというハンドル機能の方を重視しています。

しかしブレーキ性能は、タイヤと路面との摩擦力で決定されるため、いくらABSでも摩擦力の低い路面(砂利道、未舗装路、新雪が積もった道路など)では制動距離が長くなり、状況によってはABSなしのクルマの方が短く止まることもあります。

ABSで急ブレーキをかける際には、普段より力強くブレーキペタルを踏む必要があるのです。それによってABSが作動すると、次のような一種独特の現象が見られます。しかし、決して故障ではありませんので、最後まで力強く踏み続ける必要があります。

1. ペダルを踏んでいるのに強い押し返し感(フィードバック現象)がある。 2.ペダルや車体にガクガクとした振動が起きる

、などです。

ある自動車メーカーのデーターによると、急ブレーキが必要な場面で、「ブレーキペダルを充分に踏み込めた人」は53%、「踏み方があまかった人」は42%、「殆んど踏めなかった人」は5%という結果でした。それらの欠点をカバーするため、最近のクルマには、「ブレーキアシスト」と称するドライバーがブレーキペダルを踏んだ際の踏力を補佐するシステムも採用されています。

ブレーキを強く踏むことで、万一の事故の際にも衝突速度が減少し、衝突時の被害軽減を図ることが出来るのです。 次図は、通常の道路状態におけるブレーキの踏み方と、その制動距離の関係を示したものです。


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