コラム

安全運転のポイントは、正しい運転姿勢から

ドライビングポジション5つのポイント

クルマを安全かつ快適に走らせるためには、正しい運転姿勢が大切です。そのためのチェックポイントは、5つあります。

1つ目は、ブレーキ操作を的確に行なうための「シート前後調節」です。シートにはできる限り深く腰掛け、お尻とシートの間に三角形のすき間ができないようにします。その状態から右足でブレーキペダルを力強く踏み込んでも背伸び状態にならず、膝に少しゆとりが残っているくらいの位置にシートスライドを合わせます。シートスライドが後ろ過ぎると、とっさの急ブレーキ時にも身体が後退し、ブレーキペダルに十分な踏力が伝わらないことがあります。

2つ目は、正しいハンドル操作をするための「背もたれ角度の調節」です。シートに正しく着座し、両手でハンドル上端部を軽く握り、両ひじが伸び切った状態を確保しつつ、シートバックに背中が密着するよう背もたれ角度を調節します。その状態から軽く握った両手をハンドル円周上の水平位置(9時15分)までスライドさせると、両肘にも自然とゆとりが生まれ、スムーズなクロスハンドルが可能となるのです。

正しい運転姿勢を確保すると自然と身体も安定し、とっさの危険回避能力も数段に向上するだけでなく、ドライブ中の疲れも少なくなるのです。

3つ目は、「ヘッドレストの調整」です。ヘッドレストは座る人の体格に合わせて、その高さを調節できるようになっています。どの位置に持っていくか分からないという人は意外に多いようです。正しい位置、つまり事故を起こしたときにも頭部が保護される高さは、目と耳の延長線上(ちょうど眼鏡のツルにあたる位置)にヘッドレストの中央部がくるようにします。ヘッドレストは、事故でもっとも多い追突から私たちの頸部損傷を予防するための乗員保護装置なのです。

このほかにも、4つ目「ミラー(ルーム・ドアー)の調整」や5つ目「シートベルトの着用」などがあります。サイドミラーは、正しい運転姿勢で座った時に、なるべく死角がない位置に調整することを心掛けましょう。また、車線変更の際はミラーだけに頼らず、首を横に振って後側方からのクルマの接近がないことを確認することも大切です。

最後に事故の際に乗員にかかる衝撃は、すべての席に同じです。後席でも必ずシートベルを着用するようにしましょう。クルマにはシートベルトを着用しないで、安全を確保できる座席は、どこにもないのです。

このような出発前のちょっとした心掛けひとつで、あなたの身体を交通事故の被害から守ることができるのです。


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