コラム

連載「クルマを被告席に座らせないために」
Vol.6 高速道路の利用法

 毎年お盆の季節になるとインターネットの渋滞予想サイトとにらめっこしながら取材活動をしている。自動車雑誌は26日売りが多いから、お盆の時でも遠くまでクルマの取材にでかけなければならないのだ。今年も渋滞がひどくなる早朝前に都心を抜け、昼過ぎには都心に戻ることで渋滞を避けてきた。
 今年のお盆の最終日は軽井沢まででかけた。往路は日曜日の夜。渋滞は避けられないと覚悟し、imodeの道路情報で確認した。でも、渋滞の発生場所がいつもとことなる。普通はトンネルとかサグ(窪地のような地形)があるところで渋滞が発生する。トンネルやサグではクルマのスピードが微妙に低下することが渋滞の原因となっているからだ。渋滞に遭遇すると何が原因だか知りたくなる。交通量が多いのか、あるいは合流や事故が起きているのか。にもかかわらず何が原因だか分からないまま、渋滞が自然に終わってしまうことがある。
 ところが今年の渋滞の特徴はサービスエリアが原因になって本線まで渋滞していた。サービスエリアでは給油所に長蛇の列ができていいた。なぜか?ガソリン代が安いからである。高速道路のスタンドは10円以上も安い。というのは高速道路のスタンドのガソリン価格は一ヶ月前の価格と決められているからだ。この情報をテレビでお盆前に流したから多くの人がサービスエリアのスタンドを利用するようになった。長距離で移動していれば沢山のガソリンを消費するから1リッターで10円以上も安いとそのメリットはとても大きいだろう。
 そんなわけで給油所は大賑わい。
 しかし、サービスエリアが混雑するのはそれだけはない。民営化されてから自主的な運営が行われるようになった。これは一見サービスがよくなったように思えるが、イベント広場のように化したサービスエリアに本来のクルマの憩い場所という雰囲気はない。
 食べ物やお土産の種類が増え、出店の前では人の波が絶えない。カーナビではそのサービスエリアの特産品を道路情報と一緒に流しているものもある。
 
 このサービスエリアにたどり着くまでに平均速度は20キロくらいの渋滞に遭遇した。人の心理とは面白いもので一度渋滞に遭遇すると、前のクルマに必死で追従するモチベーションが下がるのだ。そんな心理状態が続くとついサービスエリアに入って休みたくなる。実際に入ってみると民営化後のサービスエリアは、ちょっとしたお祭り騒ぎだ。自動車を展示して販売キャンペーンにも利用されるようになったサービスエリアが食べ物のゴミで汚れていては本当の憩いはないと思った。やがでサービスエリアで人身事故が起きるのではないと思った。だって子供がサッカーボールで遊んでいた光景を見たからだ。
 
 ここで簡単に高速道路のスマートな使い方を教えよう。

1)ガソリンはなるべく高速道路に入る前に入れておきたい
2)サービスエリアの利用はあくまで高速移動に疲れた体を癒すところ。飲食は最低限控えよう
3)ETCは絶対に必要だしとても便利。某自動車メーカー所有のクルマにETCがついていない。ETCを促進する立場にある自動車メーカーの見識が疑われる。
4)スピードの低下は渋滞を巻き起こす。上り坂ではスピードの低下に注意が必要
5)クルマの集団の中にはいらない。前方視界も悪く、事故に巻き込まれる恐れ有り
6)法定速度で前後で移動するにはクルーズコントロールがとても便利
7)ヘッドライトの点灯は早めに行う。スモールランプは絶対に使わない。
8)トンネル・雨・早朝・夕方はライトオンを徹底する。ライトの点灯は安全の心の灯火
9)タイヤの空気圧を事前にチェックしておく。冷えているときに指定内圧プラス10%くらい多めに入れておく。
10)ブレーキは早めの踏み、後続車にスピードを減じることを早期に知らせる

このような利用法を実践してもらえれば、もっと快適な高速移動が可能となるのではないだおろうか。

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