コラム

高速道路で事故に遭わないようにするには!

高速道路などを走行中、万一の事故に巻き込まれない確かな方法はあるのでしょうか?その対策は、ズバリ!「高速道路では出来る限り、走行車線(第一レーン)を走り続ける」ことです。データによると、高速道路の死者数の約半数が車両単独事故で、負傷者数の約8割が追突などの車両相互事故となっています。そして高速道路で発生する重大事故の多くは、追い越し車線を走り続けるドライバー(特に乗用車)が引き起こす単独事故が、その第一原因となっています。

高速道路上を観察していると、路線や時間帯によっては走行車線側より、追い越し車線側を走行する車両台数の方が多い場面も見受けられます。追い越し車線ばかりを走り続けることは、大きなリスクを伴うことになるのです。そして追い越し車線を走行するクルマの多くが、制限速度ギリギリか、それ以上の速度で走っていることが多く見られます。中には制限速度を大幅に超え、前方車両に異常接近したり、追い上げるなどの悪質なドライバーも見受けられます。いくら自分では制限速度を守ろうとしても、追い越し車線ばかりを走り続けると、後方から高速で迫るクルマに追われ、進路を譲らなくてはならない状況が頻繁に発生するのです。いったん走行車線(第一レーン)に戻ろうとしても、中々そのタイミングがつかめず、やむを得ず急加速を強いられることになるのです。その結果、自分のクルマの持つ限界や自分の運転能力を超えた運転をしてしまうことに繋がるのです。

そこで対策ですが、高速道路上の事故は走行車線を走り続けることで防止できます。走行車線を走っていると、必ず自分より速度の遅いクルマに遭遇します。でも走行車線なら他人の走りに惑わされることなく、自分の運転能力と納得に基づいた安全な追越しが可能となるのです。また必要に応じた適度な追越しをすることで、ドライブ中の緊張感も保たれ、疲れや居眠り防止にも繋がるのです。危険なリスクを犯してまで急いでも、到着時間はそんなに変わらないものなのです。

その結果、速度に応じた安全を確保するための車間距離から、流体刺激から逃れるための車間距離に変化していくのです。このような考え方を持つドライバー同士が数十台ずつの一団となって、等間隔で異常接近して走る状況を「車群現象」と呼んでいます。

この車群現象が、高速道路で起きる多重追突事故の大きな要因となっているのです。



(図)東名高速(厚木~秦野中井付近下り車線)における車線別平均走行速度

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