コラム

あいまいなドライバーの速度感覚!

自己を中心とした危険感覚

私たちは常に安全運転を心掛けているつもりでいます。しかし、安全に対する意識や感じ方は、ひとり一人が違うことを認識しなければなりません。JAFユーザーテストで、対向してくる車両の車格(車の大小や車種)によってドライバーが危険と感じる距離感に差があることが分かりました。

このテストでは、モニターとなるドライバーが乗った乗用車が燃料補給のため、道路反対側にあるガソリン・スタンドに立ち寄ろうとして、道路の中央線付近で右折待ちをしつつ、対向車とのスタート・タイミングを見計っているところです。対向車の速度はいずれも時速30kmとし、対向車がどの付近まで接近したら右折を思いとどまったかを複数のドライバーで検証したものです。

その結果、対向車が二輪車の場合では平均55m以上の段階で右折をあきらめました。 次に、自分と同格の乗用車では平均65m以上の段階で、最後に大型車両になると平均85m以上の段階で、それぞれのドライバーは、「右折を思いとどまる」と判断しました。この右折を思いとどまる判断の基準となったのは、とうぜんドライバーが危険を感じたことにあります。危険には、「加害的危険性」と「被害的危険性」があります。多くのドライバーの意識の中にある危険意識とは、自分が被害者になることにあるようです。このような状況下では、加害的危険性が最も高いのは交通弱者である二輪車との衝突で、次ぎに自分と同格の乗用車との衝突。最後に大型車両との衝突となります。

事故における命の尊さは、お互い同等なのです。相手の命を守ろうとする意識が自分の命を守ることにつながるのです。

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