ITS 11 ブログ

アセスメントGPにモノ申す

岩貞るみこ

『独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA:ナスバ)はこの度、平成18年度に実施した自動車アセスメントの乗員保護性能と歩行者(頭部)保護性能の評価結果に基づいて、安全性の優れた自動車を表彰する「自動車アセスメントグランプリ」を創設した(NASVAのHPより、抜粋)』んだそうな。

そして『第1回目となる今回は、平成18年度自動車アセスメントの試験を実施した自動車の中からトヨタエスティマがグランプリに決定しました(同)』そうである。

http://www.nasva.go.jp/gaiyou/topics/2007/070425_01.html

エスティマを開発したみなさん、関係者のみなさん、おめでとうございます! そして、安全なクルマをつくってくれて、ありがとうございます! こうした「賞」というのは、研究開発する方々のモチベーションにもなるし、我々、購入する側としても、ひとつの目安になるので、よいものだと思います。

しかし。話には、必ず、ウラがあります。いえ、別に、トヨタやNASVAが悪いって言っているわけじゃありません。念のため。

我々、ユーザーが気をつけなくちゃいけないのは、「アセスメントの乗員保護性能」をもとに、このグランプリが決められているってところです。「アセスメントの乗員保護性能」とは? それはですねー。運転席と助手席しか、データの計測をしていないってことなんですね。つまり、エスティマは3列シートのミニバンで、6人も7人も乗れるのに、安全性が確保されているのは、そのうちのたった二人。その他大勢については、安全性のテストすら行われていないのが、いまの日本の実情なのでありますよ。

つまり、後ろの席、3列目の席についての安全性は未知数であるのに、「このクルマに乗っていれば安全ですよ」と誤解しちゃうような、このグランプリ。いかがなものでしょうね。ユーザーは「そんなことじゃ、だまされないもんね」と、もっと賢くならなければいけません。

そして、メーカーもNASVAも、「ほんとうにユーザーのための」安全性を考えてくれると、嬉しいんですけれどね。

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